再生資材で工事2129件 産廃削減効果も
2014/08/29
ニュース
公共工事が減る中、県認定のリサイクル資材「あいくる材」を使用した昨年度の県発注工事の件数が過去5年間で最多となったことが、県のまとめでわかった。県建設企画課は「資材として浸透してきた結果ではないか」としている。
県は2002年度、産業廃棄物のリサイクルを進めるため、県が定めた産廃の含有率、品質などの基準を満たした再生資材を「あいくる材」として認定する制度を始めた。名称は「愛知県が認定したリサイクル資材」の意味で、道路工事で撤去されたアスファルトの塊を再利用した舗装材や、製鉄時に出る副産物の製鋼スラグを天然土砂の代わりに使ったコンクリート製側溝などが認定されている。
県によると、県建設部発注工事の契約数は、09年度の2684件から昨年度は2286件へと減少している。一方、あいくる材を使った工事件数は、09年度が2062件で、12年度は2013件に減ったものの、昨年度は2129件と増加に転じた。
また、昨年度に再生された資源の利用量は45万4419トン。県内の最終処分場で1年間に埋め立て処分される産業廃棄物の32%に相当するといい、県では、あいくる材として再利用されたことで、処分費用約52億円の削減効果があったと分析している。
昨年度末時点の認定資材は23品目1485資材に上る。リサイクル建築資材の認定制度は36道府県にあるが、認定資材数では全国最多という。あいくる材の使用は「最終処分場の延命にもつながる」(県建設企画課)といい、県では、一層の利用促進に期待している。
出典:読売新聞