ごみ「ふれあい収集」が好評 横浜市、声掛けで安否確認も
2014/07/30
ニュース
ごみ出しが困難なお年寄りや障害者らの1人世帯を対象に横浜市が実施している「ふれあい収集」が好評だ。玄関先までごみを取りに行くだけでなく、ごみが出ていない場合は声掛けで安否を確認。実際に人命救助につながったケースも報告されており、市資源循環局の河井一広業務課長は「高齢化が進む中、ふれあい収集のニーズは高まっている。安否確認とともに市民が安心して暮らせるよう取り組んでいく」と話している。
同課によると、ふれあい収集は2004年度に開始。当初は地域の子どもをはじめボランティアが収集していたが、ニーズの増加や作業に従事する子どもの減少などにより、徐々に市が大半を担うようになった。同様の事業は他の政令指定都市でも行われている。
対象となるのは、自分でごみを集積所に持って行くことができない高齢者や障害者、要介護者ら1人暮らしの世帯。高齢化に伴い、希望者は年々増えており、開始当初は32世帯だったが、14年6月には4886世帯まで広がっている。
収集員は、対象世帯の軒先や玄関内に置かれたごみを週1回収集して回るほか、10年度からは高齢者の孤独死問題を受け、ごみが置かれていなかった場合はインターホンや直接の声掛けなどにより、居住者の安否を確認している。
実際、人命救助につながったケースも少なくない。昨年2月には、80代の女性が中区の自宅庭で倒れているのを発見。助け起こしケアマネジャーに連絡するなどして事なきを得たという。
同年7月には、青葉区で90代の女性を救助。玄関内からごみを収集しようとしたところ「助けて」と声が聞こえ、室内で倒れている女性を見つけた。助け起こし、近隣住民と救急車を手配した。女性は腰の骨が折れており、入院したという。
収集を担当する各区の収集事務所などには、感謝の手紙も数多く寄せられている。「足が悪いので助かります。感謝の心でいっぱいです」「いつも重い物を運んでいただき助かってます」などと感謝の言葉がつづられたお礼状が玄関先などに張られていることもある。河井課長は「励みになる。今後もふれあい収集の充実に力を入れていきたい」と力を込めた。
出典:神奈川新聞