豊島の産廃不法投棄、教訓を子供たちに 学習教材を制作 香川
2014/06/10
ニュース
瀬戸内海に浮かぶ豊島(香川県土庄町)に不法投棄された産廃問題で得た教訓を次代を担う子供たちに正しく伝えよう-と、NPO法人の瀬戸内オリーブ基金、廃棄物対策豊島住民会議、豊島応援団(旧豊島弁護団)は、オリジナルの学習教材「豊島・島の学校-豊かなふるさとを守る努力が未来をつくる」を制作した。ウェブサイトで見ることやダウンロードして利用できる。
教材は12ページ。産廃問題の社会的背景、美しい島を取り戻す取り組み、廃棄物処理の取り組み、現状などを絵や写真などを使って分かりやすく説明。「わたしたちにできること」を考える内容となっている。
同基金の岩城裕理事長は、豊島問題を引き起こす原因に「大量生産・大量廃棄の社会」などを挙げる。教材は持続可能な社会づくりを考えてもらうためのものとして、「事件の単なる紹介ではない。社会の仕組みが問題なのだということを、どうやって子供たちに伝えるかに意を用いた」と話した。
豊島の産廃不法投棄現場の見学者は平成16年度の約5500人をピークに、22年度には約1500人に減少。ここ数年は微増傾向というが、同基金などは「問題を風化させることなく次の世代に語り継ぐことが課題」としている。
昨年6月にウェブサイト「豊島・島の学校-豊かな島と海を次の世代へ」を立ち上げたのに続き、今回は、子供に分かりやすい学習教材を作った。
同住民会議の安岐正三事務局長は「子供たちが豊島の問題を理解した上で現場に来て、一人一人がこれからの暮らし方や自分が何をしたらいいのかということを考えていただきたい」と述べた。
同基金や同住民会議は学習教材について「教育委員会や小・中学校に働きかけて『総合的な学習の時間』などの補助教材として使っていただきたい」としており、9日、香川県教委に要望した。中期的には豊島問題を考える環境教育プログラムを作成して小・中学生を受け入れる体制づりも検討していく。
出典:産経ニュース