ごみ発電:弘前で電力の地産地消 2000万円収益効果
2014/02/04
ニュース
青森県弘前地方の6市町村のごみ処理に当たる「弘前地区環境整備事務組合」(管理者・葛西憲之弘前市長)は20日、ごみ処理施設で発電した電力を、県内で初めて特定規模電気事業者(新電力)と売買するための基本協定に調印した。売却先をこれまでの東北電力ではなく、廃棄物処理大手の「荏原環境プラント」(東京都大田区、市原昭社長)に変更する。同組合の他の施設が必要とする電力を荏原環境プラントから購入し、「電力の地産地消」を目指す。4月から実施し、最大で年間2000万円の収益効果が見込めるという。
葛西市長と市原社長が20日、弘前市役所で協定文書に調印した。
協定によると、同組合所管の弘前地区環境整備センター(弘前市町田)で、可燃ごみを燃やした「焼却熱」でタービンを回して発生させる電力のうち、同センターの使用分を除いた余剰電力を荏原側に売る。荏原は買った電力を東北電力の送電線を使って送電し、組合所管の他の清掃工場や衛生センター(いずれも弘前市内)に売る。荏原を介して組合の施設間で電力を融通しあう仕組みだ。
組合によると、再生可能エネルギー活用の政府の制度により、「新電力」に対して余剰電力を東北電力より高く売り、安く買うことができるようになったという。
組合事務局の高橋秀男次長は「2012年度に処理した可燃ごみは約5万6000トン。年間1916万キロワット時の発電量があり、余剰分680万キロワット時を売電した」としている。
今後、余剰電力を6市町村の小中学校や庁舎に供給する取り組みも試みる。荏原は環境整備センターを建設・維持管理している実績が評価された。市原社長は「全国でごみ処理施設を約80カ所手がけているが、売買電は埼玉県の蕨・戸田両市の組合に次ぎ2例目。電力の安定供給に努める」と語った。
出典:毎日新聞