資源ごみの処理費29億円 京都市、意識は高くもかさばって…
2008/09/30
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京都市が進める缶や瓶、ペットボトルのリサイクル事業で、2006年度は再資源化の収益が2億円を超える一方、処理費が29億円かかっていたことが分かった。家庭の分別意識は高まったが、軽くてかさばるため、収集費が膨らんだ。リサイクル頼みでなく、ごみを減らす大切さがあらためて求められている。
市環境局の集計で、06年度の収益は2億2000万円で、04、05年度の1・7倍に増えた。缶や瓶の売却益に加え、原油高で廃ペットボトルの価格が上昇し、再資源化を委託している財団法人「日本容器包装リサイクル協会」(東京都)から5000万円を得たからだ。
一方、06年度の処理費は29億8500万円。内訳は、計1万6000トンの資源ごみを回収した収集費が約7割を占めた。残りは収集後の選別や圧縮梱包(こんぽう)などだった。04、05年度も収集費が8割近くに上った。
分別への協力率は06年度75%で、市の目標を上回るが、再資源化は順調とは言い難い。▽特に瓶のガラスは用途の広い無色と、茶色しか買い手が付かない ▽割れたガラス片は建材としての再利用を見込んで砂粒状に加工するが、利用は振るわず埋め立てている-などのため、収益につながっていない。
市循環企画課の瀬川道信課長は「収支が合うのが理想ではなく、リサイクルするごみの減量こそ望ましい」とした上で「リサイクルの過程で出る二酸化炭素を試算するなど、地球温暖化問題と絡めて市民にごみを減らすことをPRしたい」と話している。
出典:京都新聞