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紙くずからバイオ燃料 清水建設、ビル内で処理し発電に利用

2008/09/19

ニュース

 清水建設は紙くずや生ゴミから可燃ガスと液体メタノールなどのバイオ燃料を生産する技術を開発した。ごみを分解してガスを回収し、これを触媒と反応させてメタノールを作る。都市の商業施設やオフィスビルで廃棄物として出たバイオマス(生物資源)をその場で処理し、発電用燃料として活用することが可能という。環境負荷の少ない街づくりに役立つ技術として2年内の実用化を目指す。

 小型プラントをビルの地下などに置き、紙のシュレッダーくず、コーヒーや茶殻、木くずなどを原料としてガスとメタノールをほぼ同時に回収し、これを使って発電する。15―20階の高層ビルで発生する紙くずなどで発電した場合、そのビルで使う電力の1割弱を賄えるよう設計する。装置の価格は3000万円程度をめざす。

 燃やしても二酸化炭素(CO2)を排出したとみなされないバイオマスを使うため、温暖化防止や資源循環に役立つとみている。今年度中に同社工場(東京・江東)に実証プラントを建設、商用化への改良を進める。

 3ミリメートル以下に細かく破砕したごみと水蒸気を炉の中に入れ、セ氏約900度の熱で瞬時にガス化する。発生したガスから高品質の可燃ガスを取り出し、これを濃度90%以上のメタノールに変える。ガスは発電に、メタノールはバイオディーゼルや燃料電池などの原燃料に使う。

 オフィスなどで大量に発生するシュレッダーの裁断くずは紙に再利用するのが難しいが、今回の新技術を使えば高品質の燃料として活用できる。ビルや商業施設内で処理するため、高層ビルなどのエネルギー需要に応じて燃料生産を調整することができる。電力を多く消費する昼間はガスを製造して発電に使い、夜間はメタノールを生産して貯蔵するといった使い方も可能という

出典:日経速報ニュース


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