神戸製鋼、製鋼スラグを路盤材に
2008/08/27
ニュース
神戸製鋼所は鉄を製造する際に副産物として出る「製鋼スラグ」全量を道路の路盤材として販売する方針を固めた。これまでも一部は路盤材として販売していたが、来年夏をめどに製鋼スラグを路盤材にする処理施設を加古川製鉄所(兵庫県加古川市)に増設し、年間50万トン排出される製鋼スラグ全量を路盤材として生産、販売する態勢を整える。
製鋼スラグは、鉄鉱石に含まれる不純物が石灰石と混ざり合って溶けたもの。外部から水分がしみ込むと、含有されている石灰石と化学反応を起こして膨張するため、路盤材にするには、事前に水分を含ませる必要がある。神戸製鋼は現在、蒸気を当てて加熱を施すエイジング処理施設を4基保有しているが、来年夏までに11基に増設する。
神戸製鋼ではこれまで製鋼スラグを主に埋め立て用途に利用してきたが、路盤材に使われてきた砂利や砂の代替品としての需要が高まっていることに対応する。産業廃棄物を排出しない「ゼロ・エミッション」活動の一環だが、不要な副産物を新たな収益源とする狙いもある。
出典:産経ニュース