直近データによる鉄源需給の概況
2008/11/10
ニュース
1.粗鋼生産
2008年9月の粗鋼生産(速報)は、前月比0.9%減、前年同月比1.5%増の1,007.6万トンと、28ヵ月連続で前年同月を上回った。9月の単月生産では1973年の1,017.1万トンに次ぐ史上第二位の水準であった。また、炉別生産では、転炉鋼が758.2万トンで前月比2.0%減、前年同月比2.2%増、電炉鋼は249.4万トンで前月比2.4%増、前年同月比で0.6%減となった。前年同月比では転炉鋼が28ヵ月連続の増加、電炉鋼は4ヵ月ぶりのマイナスとなった。
2.鉄スクラップ市況
① 国内
2008年10月第4週3地区平均の鉄スクラップ価格(鉄源協会モニター調査)は14,076円/トンで、前週に比較して4,033円/トンの大幅な値下がりとなり、4週連続の値下がりとなった。地域別では、対前週で、関東が6,500円/トン、関西が4,000円/トン、中部が1,600円/トン、それぞれ値下がりし、3地区とも4週連続の下落であった。この水準は2003年7月第4週3地区平均(13,957円/トン)以来の最低値である。
② 米国
2008年10月第4週の米国コンポジット価格(3都市平均、東海岸)は160.83ドル/トンで、5週連続値下がりした。7月の過去最高値からは362.33ドル下落した。これは、2005年8月第1週の157.67ドル/トン以来の最低値である。
3.鉄源輸出入
① 鉄スクラップ
2008年9月の鉄スクラップ輸出は、46.9万トンで前年同月比12.8%増となり、8ヵ月ぶりの前年同月比プラスとなった。うち普通鋼屑に該当する「その他屑」は40.0万トン(同13.4%増)であった。
向け先別に見ると、韓国が25.9万トン(前年同月比28.5%増)、中国が18.8万トン(同2.1%減)、台湾が1.0万トン(同85.0%増)となり、韓国が10ヵ月ぶりの前年同月比増、中国が2ヵ月連続の減少、台湾が8ヵ月ぶりのプラスとなった。韓国は7月以前の水準となり、再び最大の輸出向け先となった。
一方、鉄スクラップ輸入は7.3万トンで前年同月比61.9%増と6ヵ月連続の増加となった。
② 銑鉄
2008年9月の銑鉄輸出入は、輸出が0.6万トン、輸入が3.8万トンであった。
出典:(社)日本鉄源協会