大林組とタケエイ、石綿を含む廃棄物・焼却灰などの溶融無害化処理事業の合弁会社を設立
2008/09/24
ニュース
発表日:2008年9月18日
石綿(アスベスト)を含む廃棄物及び焼却灰等の溶融無害化処理の事業化に向けた合弁会社 設立のお知らせ
大林組は、重点領域である環境分野において、新規事業を積極的に展開していくこととしており、その一環として、(株)タケエイ(本社:東京都港区、社長:三本守)と共同で、下記のとおり合弁会社を設立し、事業化に向けた検討を行ないます。
【 記 】
1.合弁会社設立の背景と目的
国内における石綿含有建築材料の総計は約4,300万トン(『石綿含有建築材料廃棄物量の予測量調査結果報告書(平成15年)』(社)日本石綿協会:昭和46年から平成13年までの総計)あり、今後、建築物の解体等の増加により石綿を含む廃棄物の排出量が大幅に増加し、毎年100万トン超の排出が見込まれています。
こうしたなか、大量の石綿を含む廃棄物が滞留し、不適正処理が頻発して、人の健康や生活環境に深刻な悪影響を及ぼす事態も懸念されており、石綿を含む廃棄物の円滑かつ安全な処理の確保が求められています。
しかしながら、現状の処理は最終処分場(飛散性の石綿は管理型最終処分場、非飛散性の石綿は安定型最終処分場)への埋め立てにほぼ限られており、無害化処理(廃棄物を人の健康又は生活環境に係る被害が生ずるおそれがない性状にする処理(環境省))という新たな処分ルートを早急に確保することが不可欠となっています。
石綿は過去の知見から1,500℃以上であれば問題なく溶融され、無害化されることが知られていますが(環境省『無害化処理認定制度Q&Aより』)、現状の溶融処理技術では、埋め立て処理に比べて非常に高い処理コストがかかってしまうこともあり、ほとんどが無害化処理されないまま埋め立てられています。
一方、焼却灰の埋め立てによる最終処分については、大規模な最終処分場の必要性かつ用地の確保が難しくなっていることや、地球環境保全・資源循環の観点から、限りある資源の有効利用として焼却灰の減量と再資源化(リサイクル)が求められています。
また、有害物質による土壌や地下水の汚染が懸念されており、無害化処理についても早急な対応が求められています。焼却灰は1,500℃前後で加熱すると溶融(スラグ化)され、人工骨材として路盤材・コンクリート骨材・アスファルト骨材等に再利用することができ、最終処分量を大幅に削減することが出来ます。
このたび、国内外の建設工事を主力とする(株)大林組と、環境ソリューション事業を行なう(株)タケエイ(廃棄物処理・リサイクル企業)の両社は、安心して暮らせる地域づくりへの貢献と環境負荷の少ない循環型社会の形成を目的に、両社の保有する種々の高度な技術を結合して、石綿を含む廃棄物及び焼却灰の低コスト高温溶融無害化処理の事業化に向け合弁会社を設立することにいたしました。
今後、早期の事業化を目指してまいります。
なお、本事業は、静岡県賀茂郡西伊豆町での事業化を前提に準備を進めており、平成23年春頃の事業開始を予定しています。処理能力・事業の開始時期等の詳細につきましては、関係官庁による許認可の取得が前提となりますので、改めてお知らせいたします。
2. 合弁会社の概要
商号
株式会社エコプラント
設立
平成20年10月(予定)
本店所在地
東京都港区港南2丁目15番2号
資本金
10百万円
株主
株式会社大林組 66%、株式会社タケエイ 34%
代表者
汐川 孝
決算日
3月31日
主な事業内容
(1)石綿・焼却灰等の中間処理
(2)リサイクル建材の販売
(3)上記に付帯する一切の業務
出典:日経速報ニュース