九戸の第2クリーンセンター構想:最終処分場中止へ 公共事業減少などで /岩手
2008/10/10
ニュース
◇産廃施設
県と久慈・二戸地区の市町村が九戸村に建設する計画で進めている第2クリーンセンター構想で、産業廃棄物の受け入れ量が需要調査の結果、見込みを下回ることが判明、県は同センター第2期事業のうち産業廃棄物の最終処分場の整備を中止する方針を固めた。公共事業の減少や廃棄物の再利用が進み、処分量が減ったためという。8日の県議会環境福祉委員会で資源循環推進課が報告した。
同課によると、同センターは03年度に基本計画を策定。完成後15年間で17万2000立方メートルの需要を見込んでいた。しかし、今年5~7月にコンサルタント業者に委託し、盛岡や宮古地区以北の県内産廃排出業者500社を対象にアンケートを実施(回収率47・2%)したところ、料金を割り引いても同期間で最大10万2000立方メートルしか需要がないことが判明した。平均受け入れ単価も、いわてクリーンセンター(奥州市江刺区)の1トンあたり約2万円に対し、同約7万3000円徴収しなければ採算が見込めないことが分かった。
県内の産業廃棄物は、▽公共事業が削減された▽三陸縦貫道や東北新幹線の工事が一段落した▽燃料など再利用が広がった――ことなどから減少。最終処分量は03年11・5万トンから05年9・8万トンまで減っている。
県内産廃の大半を処理するいわてクリーンセンターの第2期工事も来年4月から稼働。15年間分の処理量72万7000立方メートルが拡大するため計画中止の影響はないとしている。
第2センター構想のうち、第1期の産廃焼却施設は来年稼働の予定。第2期で計画されている市町村の一般廃棄物の焼却施設や最終処分場は今後、市町村と協議して建設を進める。
出典:毎日新聞