いちき串木野・ごみ処理施設:設計者らを近く提訴--市議会可決 /鹿児島
2008/10/01
ニュース
運転トラブルが続くごみ焼却・発電施設を巡り、いちき串木野市議会は29日の最終本会議で、施設を考案・設計した学者や建設業者らを相手取り約10億4700万円の損害賠償請求訴訟を起こす議案を賛成多数で可決。16日の特別委員会から一転した。早ければ、10月中の提訴を目指す。
施設は、旧市来町が04年に建設した「市来一般廃棄物利用エネルギーセンター」。一般ごみの燃焼時に発生したガスを利用して発電する仕組み。だが稼働当初からトラブルが相次ぎ、発電はできず、ごみ処理も当初計画の約3割にとどまる。
建設費用約10億円のうち約3億円は環境省などからの補助金。会計検査院から「補助金の効果が認められない」と指摘され、対応を迫られた市は、システムを考案した吉川邦夫・東工大大学院教授▽基本設計したエコミート・ソリューションズ社(東京都千代田区)▽建設元請けの三井三池製作所(同中央区)――の3者に対し民事訴訟の提起を決めた。
提訴議案を付託された市議会の特別委員会は16日、賛成少数で否決していた。この日の本会議では「民事調停も不調に終わり、必ず勝てる保証はない。これ以上税金をつぎ込んで裁判することは疑問だ」などの反対意見も出たが、わずかに賛成が上回った。訴訟費用を盛り込んだ一般会計補正予算案も可決された。
田中正幸副市長は「市の考えを丁寧に説明して回った結果。これから弁護士と相談して訴状を作成したい」と話した。
出典:毎日新聞