パナ、ベスト電器などと家電リサイクル推進[家電]
2013/07/08
ニュース
パナソニックは5日、ベスト電器や国家環境庁(NEA)、地場企業と連携し、大型家電のリサイクルを推進する取り組みを開始した。政府、自治体、企業が連携した初めての取り組みとなる。
企業の社会的活動(CSR)の一環として、環境活動の取り組みをグローバル規模で行っているパナソニックが各社・団体に呼び掛け、今回の取り組みが実現した。
南東部社会開発理事会(CDC)管轄の10カ所で、毎月1回の回収日を設けて家電のリサイクル活動を推進する。地場企業シメリア・リソース・リカバリーとセムウエーストが、回収した家電のリサイクルを行う。政府は補助金を支出する。また、パナソニックは、学生にリサイクルの啓発活動を行うほか、地域家庭を訪問し、リサイクル方法を紹介。ベスト電器は店頭などで告知を行う。
日本や欧米諸国などにみられるような家電のリサイクルに関する法律がないシンガポールでは、そのリサイクル率が1%にとどまっているという。パソコンや携帯音楽プレーヤーなどの小型製品を各メーカーが引き取ってリサイクルするなどの取り組みは行っていたが、冷蔵庫やテレビ、洗濯機などの大型家電については、リサイクル活動が進んでこなかった。
■LED電球も配布
回収で集まった家電に対し、地域内の低所得家庭にLED(発光ダイオード)電球を寄付。パナソニックが最大5,000個、ベスト電器が最大1,000個を提供する。小型家電1個の回収につきLED1個、情報通信技術(ICT)機器1個につきLED2個、大型家電1台でLED3個となる。
東部マリンパレード地区のコミュニティーセンター(公共集会施設)で行われた記者会見で、NEAのコー・キムホック環境保護局長は、政府、自治体、企業が連携した初めての取り組みを「誇りに思う」とあいさつ。環境を守るために共同で努力することは「大きな前進」と述べた。パナソニック・シンガポールのポール・ウォン社長は、大型家電のリサイクルを消費者が手掛けることは困難で、環境に悪影響をもたらすような不適切な廃棄物処理に陥りやすかったと述べている。
地場若手アーティストのKC・ガンさんは、リサイクル家電で制作した作品を披露。年内、マリンパレード地区のコミュニティーセンターの入口付近に展示される。
リサイクルプログラムは、今年12月まで実施する。パナソニックは実施地域の拡大など今後の取り組みについて、市民の反応や啓発状況などを把握しながら、各関係機関と話し合っていきたいとしている。
出典:NNA.ASIA