震災がれき受け入れ基準「100ベクレル以下」案を検討
2012/03/15
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東日本大震災で発生したがれきの処理問題で、県は受け入れる場合、1キロ・グラム当たりの放射性セシウムを「100ベクレル以下」と定めることを柱とする基準の検討を始めた。4月以降に決定し、市町村が受け入れの可否を判断する材料にしてもらう考えだ。
県廃棄物対策課によると、「100ベクレル以下」は、人体に全く影響がなく、処理後のリサイクルも可能とされる範囲。県は震災前から、県内に持ち込まれる産業廃棄物の調査で、この基準を適用している。
また、受け入れを始めた山形県は「200ベクレル以下」、青森県は「100ベクレル以下」とする基準を独自に定めており、東京都は実績が「100ベクレル以下」となっている。
同課はこうした情報を参考にして、一般廃棄物にあたる被災地のがれきに、産廃の基準を当てはめることを考えている。また、受け入れる場合は、被災地から搬出、県内に搬入される際に空気中の放射性物質を測定する方針で、その際の基準も新たに設ける。
一方、がれきの焼却処理が可能な県内の施設は、市町村が運営する13か所。13日現在、受け入れを表明した自治体はなく、同課は「県の基準が定まれば、自治体が判断しやすくなる」としている。
広瀬知事はこれまで、受け入れに積極的な姿勢を示している。13日の県議会一般質問では、「災害廃棄物が被災地の生活再建の足かせになっている。県としては、安心して広域処理に取り組める環境作りを進めたい」と答弁した。
出典:読売新聞