純金2・13グラム エコな“採掘” 廃棄PC100台をリサイクル
2011/12/15
環境省
富山高専 河合准教授
弱酸性液を使用
富山高専物質化学工学科の河合孝恵准教授が、学校で廃棄されたパソコンから金二・一三グラムを取り出すことに成功した。富山市本郷町の同校本郷キャンパスで十三日、“採掘”された純金を公開した。(山田晃史)
パソコンなどの基板には電気の伝導率を高め、さびを防止するために金メッキが使われている。基板を弱い酸性の液体につけて、金を除く金属を溶かし、金メッキをはがす方法を考案。さらに、ろ過と洗浄を繰り返して取り出す。二〇〇九年からリサイクルを始め、約百台から二・一三グラムの金を集めた。
企業などが取り組む通常の金リサイクルでは、強い酸性の液体や水銀を使う。河合准教授の方法は手作業で基板を分解するため、時間がかかり、金の量も少ないが、手軽で環境汚染も少ないという。
身近なものから簡単に高級品の金を取り出すことで、学生らに科学の魅力を知ってもらおうと実験したのがきっかけ。河合准教授は「学校単位での金のリサイクルは世界初の試み」と話し「今後は論文にまとめて、取り組みが多くの学校に広がれば」と意欲を見せている。
出典:中日新聞