受け入れ震災がれき、国より基準厳しく 大阪府
2011/12/15
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大阪府は14日、東日本大震災の被災地から受け入れるがれきなど廃棄物について、埋め立てて処理する焼却灰に含まれる放射性物質の濃度の目安を国のガイドラインより厳しい1キログラム当たり2000ベクレル以下とする方針を決めた。
年内にも受け入れ指針を策定した後、焼却施設や埋め立て場所の確保に取り組む。ただし実際の受け入れ時期のメドは立っていない。
国のガイドラインは埋め立てて処理する焼却灰に含まれる放射性物質の濃度の基準を同8000ベクレルとしている。府は作業員の労働時間を長めに想定するなど独自に試算。濃度が1キログラム当たり2323ベクレルだと、作業員の年間被曝(ひばく)線量が国際的な安全基準である1ミリシーベルトに達することが分かった。
このため焼却灰については濃度の目安を同2000ベクレル以下に設定。焼却前の廃棄物は、焼却すると10分の1程度に減量することなどを勘案して同100ベクレル以下とした。
府では橋下徹前知事が、人体や環境に影響がないよう対応したうえで廃棄物を受け入れる意向を5月議会で表明。専門家を交えて検討する会議(座長・山本孝夫大阪大大学院教授)を9月に設置し、検討してきた。
山本座長は「受け入れに対する不安の声にも配慮し、保守的な試算が重なった」と話している。
会議ではこれまでに、放射性物質が飛散しないよう廃棄物の運搬には密閉されたコンテナを使うことや、廃棄物を焼却する際の排ガス処理には浄化能力の高いフィルターを使う方針などを決めている。
全国の都道府県では東京都が既に受け入れを始めている。
出典:日本経済新聞