災害廃棄物、当面処分せず
2011/05/06
ニュース
警戒・計画的避難区域 国が方針
福島第一原発事故を巡り、環境省の南川秀樹事務次官が2日、県災害対策本部で松本友作副知事と会い、がれきなどの災害廃棄物の取り扱いに関する国の方針を伝えた。
警戒区域と計画的避難区域では当面処分せず、両区域以外の浜通りと中通りでは仮置き場に集め、放射線量などを調べた上で処分方法を検討する。
会談後、記者会見した南川次官によると、環境省や原子力安全・保安院が早ければ来週にも廃棄物の放射性物質濃度や周辺の放射線量を測定し、その結果に基づいて処理方法を決める。会津地方は事故発生前と変わらず処理を進める。
南川次官は、松本副知事から、「岩手や宮城に比べて廃棄物の処理が遅れている。放射線への恐れで福島だけがいつまでも除去できないのでは生活に困る。問題のない地域は問題ないと早く言ってほしい」と要望されたことを明かした上で、「速やかに廃棄物の測定を行い、解除できるところは解除したい」と述べた。
また、郡山市や伊達市の学校の校庭から除去した放射性物質を含む表土や、郡山市の下水処理施設で見つかった放射性物質を含む汚泥などについては、「郡山などで大変困っていると聞いている。これから国土交通省や文部科学省と協議して、どう扱うかを検討する。もう少し時間がほしい」と語った。
放射性物質が付着した災害廃棄物を巡っては、県内の自治体や県産業廃棄物協会などが、環境省に対し、取り扱いの基準を定めるよう要望していた。
国の推計によると、東日本大震災によって生じた県内の災害廃棄物は約290万トン。県一般廃棄物課によると、これまで同原発から半径30キロ圏内のがれきなどについては、仮置き場に集めたまま処理は行っていないという。
国の方針について、県生活環境部の担当者は「放射能測定後の取り扱い方や今後の警戒区域内の廃棄物の処理方法などには触れておらず、これらも定めるよう国に対して要望していく」と話している。
出典:読売新聞