医療廃棄物処理でCO2を3割減 滋賀医大など実用化
2010/11/10
環境省
滋賀医科大(大津市)は9日、医療廃棄物を主に水と二酸化炭素(CO2)に分解する処理装置を民間企業と共同で実用化したと発表した。高温の触媒と混ぜ、廃棄物中の有機物を完全に分解する。
従来の焼却と比べCO2排出量を3割減らし、二次感染リスクや多額の処理費を軽減する。
装置は注射器などの使用済み医療器具や血液が付いた手術ごみの廃棄物を破砕し、450~500度に加熱した触媒の酸化チタンと混合。触媒作用で無機物以外を完全に分解し、塩素を含む有毒ガスを取り除く。従来の焼却ではダイオキシンなどの生成を防ぐために1000度程度の高温が必要だった。
燃料費を節約し、CO2を大幅に削減できる。
4月に実証運転を始めて計5トンを処理し、排気の安全性を確認した。付属病院で出る年間200トン以上の感染性廃棄物をすべて自前で処理する。廃棄物の運搬に伴う病原体の感染リスクや、悪質業者による不法投棄の問題も解決できる。
産学連携を進めた学長補佐の谷徹教授(外科学)は「自前で処理することでコストの削減もできる」と話している。
装置は、草津電機(滋賀県草津市)と共同で開発。総合物流事業の鈴与(静岡市)が製造、販売する権利を取得し、医療機関への普及を図るという。
出典:中日新聞