リサイクル紙で折りたたみいす 三重のメーカー開発
2010/10/29
環境省
金属製パイプの代わりにリサイクルした紙を筒状にした「紙管」を使った珍しい折りたたみいすを、三重県鈴鹿市のいすメーカー三惠工業(岡田信春社長)が製作した。「地球にやさしい」が売り文句で、体重120キロの大人が座っても壊れないほど頑丈だ。
紙管は段ボールのリサイクル製品を利用。高さ63センチの子供用と73.5センチの大人用があり、背もたれや腰掛ける座面、脚の四隅は、リサイクルできる樹脂のポリプロピレンを使った。
安田府佐雄(ふさお)・開発部長は「強度負荷試験でも、紙製の強度は金属製に劣りません」。重さは子供用が1脚3.1キロ、大人用5キロで、子供用は金属製より1キロほど軽い。指を挟まないように座る場所とパイプの間に空間を作り、安全性にも配慮した。
このいすは、地球環境にやさしい製品をめざして同社と名古屋市内のデザイン会社、環境コンサルタントの3社が共同開発した。フレームの材料を金属から紙に替えたことで、製造工程でのCO2排出量は40%削減できた、としている。
まず、3歳から小学校低学年児童向けに開発。昨年8月、子供用(6300円)の販売を始め、今年12月に大人用を発売する。金属製のいすは1万円を超えるものが多いが、紙製は1万円を下回る見込みという。
昨年は、環境負荷の低減に配慮したすぐれた製品を表彰するエコプロダクツ大賞推進協議会の審査委員長特別賞(奨励賞)を受賞したほか、日本産業デザイン振興会のグッドデザイン賞、キッズデザイン協議会のキッズデザイン賞にも選ばれた。
安田部長は「このいすは丸ごとリサイクルできる。子供たちにエコの心を伝えたい」と話している。
出典:asahi.com