ミダック、浜松に産廃最終処分場計画
2010/10/08
環境省
廃棄物処理のミダック(浜松市、矢板橋一志社長)が浜松市郊外に産業廃棄物の最終処分場の新設を計画していることが分かった。採石場の土地を取得し、東京ドーム2杯分に相当する容量300万立方メートルのゴミ埋め立て地をつくる計画で、30年以上使用できる見通し。
製造業の集積する中部地方は最終処分場の処理能力が不足しているといい、新施設で対応する。
最終処分場予定地は同市北区引佐町の山間部で、現在、採石場として使われている。浜松市が8日、最終処分場の概要や環境対策などを盛り込んだミダックの事業計画を市役所や北区役所などで公表する。
これを受けてミダックは1カ月以内に住民説明会を開催する。「一部の住民にはすでに計画を説明済み」(市産業廃棄物対策課)という。地元の合意が得られれば、環境保全に関する協定を住民代表と結んだ後、国に最終処分場の新設を申請する。
ミダックの計画によると、敷地面積は22万8000平方メートル、このうち10万4000平方メートルを埋め立て地として使う。中部地方や関東の一部から産業廃棄物を収集する予定。燃え殻や汚泥、プラスチックなどの処理を想定している。
廃棄物に降り注いだ雨水が地中に浸透するのを防ぐため、埋め立て地の底面には厚さ1メートル強の遮水層をつくる。廃棄物の層を通過した雨水は、水処理施設に集め、微生物の働きで有機物を分解したり重金属類を除去したりして無害化した後、河川に放流する。
トヨタ自動車やスズキなど自動車産業が集積する中部地方は、「関東や関西に比べ長期間利用できる最終処分場が少ない」(ミダック)という。1997年度の廃棄物処理法改正で、最終処分場の設置手続きや維持管理が強化されて以降、新設件数が激減している。
出典:日本経済新聞