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集団回収に奨励金/資源ごみ./和歌山市

2010/04/08

環境省

 ・有家西自治会、継続で注目

 有料で取引される資源ごみを自治会が集団回収し、収入を防災用品の購入などに充てる取り組みを、和歌山市の有家西自治会が続けている。ごみ収集の費用を減らしたい市がこれに着目し、ほかの自治会や市民団体にも広げようと、今年度から奨励金制度を設けた。

 和歌山市の有家地区。毎週水曜になると、まだ薄暗い朝6時ごろから有家西自治会のお年寄りたちが資源ごみの回収に動き出す。同会では2007年から缶と紙類の資源ごみを独自に集めて業者に買い取ってもらっている。

 元々は不法投棄の見張りやごみ出しのマナー向上を図ろうとしたのがきっかけだった。分別ができていないと市の回収対象外となり残ってしまうため、街が汚れる。自治会役員らが早朝に収集場所に立って指導するようになった。その活動の中で回収業者と話すうちに、「自分たちで集めてはどうか」と集団回収を始めた。

 約10人がかりで新聞や雑誌などの紙類と空き缶を隔週で交互に集め、1回の回収で約400戸から紙類は約1トン、缶は約200キロを集める。年間30万円程度が自治会の収入になるという。

 資源ごみを売って得た自治会費は主に防災用品に充てている。災害に備えて発電機やヘルメット、食料などを備蓄し、公園に倉庫も作った。自治会長の山本勲さん(70)は「手間もかかるけど、街がきれいになる。

 子どもの登校の見守りも兼ねることができるし、あいさつで町内の輪ができるのはいいこと」と話す。

 有家西自治会の取り組みに着目した市は昨秋、資源ごみを集団回収する市民団体を登録制にして市が回収業者との仲介をする方式を導入した。回収費用の削減とリサイクル率の向上につなげるのが目的。

 登録団体は自治会に限らず、営利を目的としないNPOなどでもよい。集めるごみは、缶、びん、ペットボトル、紙、布の5種類。

 市一般廃棄物課によると、市内の一般家庭から出る資源ごみの回収にかかる費用は年間約9億円(08年度)。また、リサイクル率(07年度)は9.7%で、全国平均の20.3%を大きく下回っている。

 昨年度中に登録したのは有家西自治会だけだったが、現在、和歌浦地区の鶴立島(かくりゅうとう)第三自治会が申請中。

 市はこの取り組みをさらに広げるため、今年度当初予算に集団回収奨励金として600万円を盛り込んだ。団体の回収量に応じて奨励金を出す。1キロ当たり数円程度で、相場によって変動がある。

 既に県内で17市町が同じ仕組みを実施しており、和歌山市と同じ中核市の大阪府高槻市や兵庫県尼崎市などでは1団体当たり平均約20万円が補助されている。

 集団回収の参加申し込み、問い合わせは市一般廃棄物課(073・435・1352)へ。

出典:asahi.com

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