目黒区:家庭の園芸土、再利用 新年度から23区初、3カ所で回収 /東京
2010/02/15
環境省
目黒区は新年度から、家庭で不用になった園芸用の土を回収し、再利用するシステムを始める。
区によると、園芸用土は、廃棄物処理法に基づき自治体が処理の責務を負う「一般廃棄物」に該当しないといい、生ごみなどに混ぜられて処理施設運営のトラブルの基になったり、公園に捨てられるなどして、対応が急務になっていた。23区では初めて、全国的にも珍しい試みで、ガーデニングブームが続く中、注目を集めそうだ。
区清掃リサイクル課によると、家庭の花壇や菜園で使った土が、生ごみに混入した場合、焼却炉で溶けて周囲に付着し、炉を傷めるという。
廃棄物処理法は、廃棄物を「ごみ、粗大ごみ、燃え殻」などと規定したうえで、産業廃棄物と一般廃棄物に分類。同区によると、園芸土はこれらに該当せず、処理は多くの「ベランダ菜園家」らの悩みの種になっていた。
園芸用の土は、数年使うと内部の養分がなくなり、枯れた根や雑菌が入ってしまう。再利用するには、天日干しなどが必要とされ、手間がかかる。マンションで生活する世帯が多い都内では、庭にまくことも難しい。
植え替え時期のゴールデンウイークごろには、連日のように不用になった園芸用の土について、区に相談の電話がある。多い場合は1日10件の相談が持ち込まれるという。
公園に捨てられるケースもあるが、区は「整備された花壇にまかれると植物に悪影響がある」とする。また、生ごみや不燃ごみに混ぜて出されるケースも区内で年間約100トンに達していたという。
新たなシステムは、区内の公園など3カ所で不用な園芸土を回収し、代わりに前年度に集めたものから再生した園芸土を提供する方式。回収後は、区に委託された業者が、区立公園の剪定(せんてい)で生じた枝葉を混ぜるなどして再生する。
めぐろブラン土(ど)「花再彩」(仮称)と事業名を付け、関連予算45万8000円を新年度予算に計上した。
第1回目は植え替え時期の5月を予定しており、区が昨年11月、区民から試験的に回収した園芸土から再生した土を渡す予定という。
出典:毎日新聞社