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不法投棄を人工衛星で監視 視界不良

2009/10/23

ニュース

 後を絶たない廃棄物の不法投棄に対し、人工衛星から撮影した写真で投棄現場をキャッチしようという試みが今年度、各地の県民局で続いている。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)から購入した写真をもとに各県民局で分析し、山間部など地上パトロールの盲点になりやすい場所への投棄を発見する狙い。ただ、衛星写真の限界もあり、成果はまだ見えてこないようだ。

 山林や谷あいなど、住民も含むパトロール網をかいくぐって相次ぐ不法投棄。産廃だけでも昨年度は県内で3591トン、一昨年度は4730トンに上った。衛星の<目>にそれらの探知を期待した県は年4回、地球観測衛星「だいち」が撮った県内全域の写真の購入を計画。3月と9月に各10枚(1枚2万6250円)買い、県民局ごとに送った。

 「だいち」の写真は、気象などの条件が良ければ大きさ2・5メートルの物体を判別可能。県庁と、神戸を除く9県民局に配置した監視調査員がそれらを分析し、不審物や廃棄物を埋めた跡など不自然な地表の変化をチェック、見つけたら現地に出向いて調査し、投棄者への撤去指導などを行う。

 しかし、これまでに発見に至った投棄現場はゼロ。県環境整備課によると「衛星が県上空を通る時に雲がかかっていると、場所によっては地表が見えない」。さらに「衛星通過は年に8度。年4回の写真購入はあくまで予定」という。

 淡路県民局でも調査員2人が分析。投棄ごみを特定できるほど鮮明でなく、環境課は「廃棄物処理場の位置や過去に投棄があった場所など、データを蓄積しながら試行錯誤中」とする。

 調査員も、衛星写真とは別に、投棄の可能性がある場所を見定めて歩くことが多く、上空監視の威力が表れるまでにはまだ時間がかかりそうだ。

出典:読売新聞

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