清水建設、実証プラント運転開始 廃棄物エネ転換、1年後実用化
2009/10/10
環境省
清水建設は紙ゴミや廃棄材などのバイオ系廃棄物を効率よく電気や燃料に転換できる次世代エネルギー技術「ビル・バイオマスター」の実証プラント運転を、東京木工場(東京都江東区)で始めた。
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との共同研究事業で、バイオ系廃棄物を高温熱分解したバイオガスから電力とバイオメタノールを作り出し、廃熱も利用できる。2011年3月まで実証運転を行い、ゴミを簡単に燃料化できる技術として4万平方メートル規模のオフィスビルやコーヒーや緑茶のガラが大量に排出される飲料工場向けに実用化を目指す。
原料をガス化する「浮遊外熱式カロリーガス化装置」と、製造したガスをメタノール化する「多段メタノール合成装置」で構成。廃棄物を炉内で約900度の熱で加熱して合成したバイオガスをエンジンに供給し、発電に利用する。
発電に利用しないガスから、触媒による合成反応でバイオメタノールを製造。実証プラントでは木工場の廃木材を利用して1時間あたり約30キロワットの発電、12リットルのメタノールを合成できる規模で、作り出した電気や燃料を木工場に供給していく。
すでに都市再開発を手がける不動産事業者などから引きあいも舞い込んでおり、今後1年から1年半後の実用化を視野に入れている。たとえば、2.2万平方メートルの広さの飲料工場が7000トンのコーヒーガラを排出する場合、約1億1200万円のコスト削減につながるという。
導入にかかる費用について、清水建設はガス化装置とメタノール合成装置のそれぞれで3000万円程度に抑えたいと説明している。
出典:Business i