古紙処理公開、開放型の新工場 仙台リサイクルセンター
2009/06/16
ニュース
再生資源回収・卸売業の仙台リサイクルセンター(仙台市)は、見学希望者の受け入れを前提に設計した開放型の古紙リサイクル工場を、同市泉区根白石に建設した。回収した古紙が製紙原料になるまでの作業工程を見てもらうことで、「家庭での分別や環境について考えてほしい」というのが狙い。民間のリサイクル工場としては全国でも珍しい取り組みで、7月1日から本格稼働するとともに見学者を受け付ける。
工場は、4階建ての新社屋に併設する形で建設された。鉄骨平屋で約3500平方メートル。家庭や企業から集まった新聞紙、段ボールなどの古紙を分別した上で圧縮、梱包(こんぽう)し、再生紙を製造する製紙会社に出荷する。一日当たり約230トンの古紙を処理できる。
新工場は「見せる」をコンセプトに設計を進めた。社屋の3階部分には、工場の作業の様子をガラス越しに見られるホールを設けた。ホールから、工場上部の踊り場にも出られる構造。
見えにくい工程については、工場内に設置したカメラの映像がホール内のスクリーンに映し出される仕組みで、プロの分別をつぶさに見ることができるという。
「環境教育の高まりを受けて、学校などから『作業工程を見学させてほしい』との声が多く寄せられるが、安全面などから従来の工場では難しかった」と沼田隆社長(36)。
「新工場を見学し、古紙を製紙原料として出荷するためには細かな分別や不純物を除去する作業が必要なことを知ってほしい」と期待する。
見学用のホールは100人の収容が可能。会議やイベント用として、地域住民に無料で開放する。連絡先は仙台リサイクルセンター022(302)1131。
出典:河北新報社