ドイツ 2008年の温室効果ガス排出量は基準年比23.3%減の見込み
2009/04/09
環境省
ドイツ連邦環境省は、3月29日、2008年の温室効果ガス排出量予測値を発表。排出量は1990年比23.3%減となり、京都議定書における目標値21%減をクリアしたことが明らかになった。
ドイツには、京都議定書の目標として、2008年から2012年までの温室効果ガス平均排出量を1990年比21%減とすることが求められている。
これらの予測値の算出は連邦環境庁が担当し、詳細結果は、2010年初めに公表される。概要は下記の通り。
●2007年比では1.2%減。この減少の大部分はCO2によるもので、1.1%減に相当する940万t減であった。
CO2排出量は、2008年の温室効果ガス排出量の88%を占めている。トローゲ連邦環境庁長官は、「CO2排出量が減少した要因としては、石炭と褐炭の需要が減ったことと、天然ガスと再生可能エネルギーの利用が増えたことが挙げられる」とコメントした。
●2008年の一次エネルギー需要は約1%増加したにも関わらず、CO2排出量は1.1%減となったことが注目に値する。これは、液体系燃料の使用が増加する一方で、石炭や褐炭の売り上げ量が減少したことが要因にある。企業や一般家庭における発電や熱生産に天然ガスの利用が増え、更に発電所や鉄鋼産業などにおける石炭の役割が減少している。実際には、2007年比で、石炭の利用は7%減、褐炭の利用は3.5%減となっている。
●再生可能エネルギー源は、1次エネルギー需要の7.4%を供給している。
●2008年のメタン排出量は、変化なし。廃棄物処理からのメタン排出量は5%減だが、家畜の飼育に伴う排出量は増加している。
●農業や化学産業から多く排出されるN2Oの排出量は、2007年比5%減である。
●PFCは、特にアルミニウムと半導体の生産で減少、5.3%減。HFC排出量は、冷却関係の利用増で4.5%増となっている。SF6は、2.8%増。【ドイツ連邦環境省】
出典:EICネット