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「ふげん」解体 廃棄物の放射能低減研究

2008/11/05

ニュース

文科省来年度から リサイクルに期待

 文部科学省は来年度から、廃炉作業が進む日本原子力研究開発機構の原子炉廃止措置研究開発センター(旧・新型転換炉「ふげん」、敦賀市明神町)を活用し、原発の解体などで生じる放射性廃棄物の放射能レベルを下げる研究に乗り出す。老朽化した原発が次々と廃炉になる時代を迎え、膨大な量の放射性廃棄物を減らし、リサイクルすることにつながると期待される。

 原発の運転で生じる放射性廃棄物について、日本では、使用済み核燃料の再処理で出る廃液をガラスで固めたものを「高レベル」、このほかはすべて「低レベル」と分類している。低レベル放射性廃棄物の放射能を低減するには、表面を削ったり、薬品を使ったりする方法があるものの、比較的レベルの高いものなどは、従来の技術では下げるのが難しかった。

 旧ふげんの場合、こうした廃棄物は原子炉の炉心タンクの廃材など計約1万トン出るとみられ、低レベル全体の約20%を占める。放射能レベルを下げられれば、一部は、放射性物質として扱う必要のない通常の産業廃棄物として処分できたり、再利用も可能になる。作業員の被曝(ひばく)を低減することにもつながる。放射能の比較的高い廃棄物は地下50~100メートルの地中に埋設しなければならないが、その量も減らせる。

 研究期間は来年度から3年間。切り出した旧ふげんの配管などを用い、放射性物質を有機酸という薬品で取り除く研究を行う。原子炉施設の解体後に発生するコンクリート廃材がどれくらいの範囲で放射能に汚染されているかを測定する技術も開発する。

 文科省では「一般の原発の廃炉に向けた貴重なデータが得られる。成果をふげんの本格解体作業にも活用したい」と話している。

出典:読売新聞


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