美祢の産廃場建設:操業禁止を 下関の住民ら提訴 地下水など汚染の恐れ /山口
2008/10/26
ニュース
美祢市豊田前町の産業廃棄物最終処分場で地下水などが汚染される可能性があるとして、周辺住民ら104人が22日、設置業者に処分場の使用、操業の差し止めを求め地裁下関支部に提訴した。仮処分申請は広島高裁が操業禁止を求める決定を出しており、本裁判の行方が注目される。
訴状によると、原告は下関市豊田町などに住む下流域の住民ら。処分場は同市の業者が07年1月に県の認可を受けて建設。廃プラスチック類など「安定型5品目」の覆土のみを対象としているが、住民側は分別が徹底されない恐れなどから「5品目以外の廃棄物の混入は避けられない」と指摘。「有害物質を含む水が地下水などを通じて住民に飲料される可能性が高く、人格権の侵害だ」と訴えている。
住民側は07年10月、操業禁止などを求め、地裁下関支部に仮処分申請。同支部は「有害物質の流出の可能性は低い」と訴えを却下した。
しかし、住民の抗告を受けた広島高裁は今年9月、同支部の決定を取り消して操業禁止を求める仮処分の決定を出していた。
業者によると、現在処分場の操業は一時中断しているが、今回の本裁判に対しても全面的に争う構え。「認可した県に対する行政訴訟を起こすのが筋と思うが、今後は法廷で安全性を立証していきたい」としている。
出典:毎日新聞