自動車リサイクル連携 東北大などソウルで協議
2008/10/20
ニュース
東北大と中国・上海交通大の研究者らの呼び掛けで、使用済み自動車の国際的リサイクル推進を協議する「アジア自動車環境フォーラム」が29―31日、初めてソウルで開かれる。日中韓の自動車メーカー、解体業者らが車のリサイクルや法制度に関する情報を交換する試み。アジア地域の産学官連携を促進し、世界的な自動車リサイクル先進地を目指す。
フォーラムは、東北大大学院国際文化研究科の劉庭秀准教授(環境政策学)、上海交通大の研究者らが発案し、関係機関に呼び掛けた。
韓国の現代自動車、中国の上海汽車など大手自動車メーカーや解体業者、行政機関が参加。日本からは経済産業省、日本自動車工業会の関係者が出席する。各国が自動車リサイクルの現状を報告したり、解体施設を視察したりする。
日本では2005年に自動車リサイクル法がスタート。韓国は今年施行され、中国では10年の実施へ準備が進む。中韓の関係者の自動車リサイクルへの関心は高く、フォーラムでは各国の動向を把握して問題意識の共有化を図る。
アジア全体でモータリゼーションが進み、韓国、中国の自動車生産台数が急増。使用済み車の適正処理と再利用技術の開発が課題となっている。
劉准教授は宮城県内の解体業者や東北大大学院農学研究科の大村道明助教(地域計画学)とともに、廃車処理と流通プロセスの追跡システムの開発に取り組んでいる。
劉准教授は「今後、アジアで増える使用済み車を資源として循環させれば、製造コストも環境負荷も減らせる。メーカーや解体業者が連携し、国際基準となる自動車リサイクルのガイドラインをアジアで構築したい」と話す。
フォーラムは年1度、日中韓で持ち回り開催する。来年の2回目は日本で開く予定。
出典:河北新報