廃棄物処理法違反:今年上半期、79人 過去5年間で最多--県警まとめ /奈良
2008/09/29
環境省
家庭ごみや建築廃材の不法投棄、無断焼却などの廃棄物処理法違反が、今年上半期(1~6月)で79人に上り、過去5年間で最多となったことが、県警生活環境課の調査で明らかになった。特に家電製品や家財道具など「身の回りのもの」を捨てたり、焼いたりした一般廃棄物による違反が60人を占めている。
同法は改正で違反者に対する厳罰化が進められ、家電製品を捨てただけで数十万円の罰金を支払うケースも少なくない。
調査によると、今年上半期の違反は全体で61件79人。内訳は産業廃棄物の違反で12件19人、一般廃棄物は49件60人だった。
一般廃棄物の違反は年々増えている。03年は年間33件28人だったが、07年は89件89人と3倍以上増加している。産業廃棄物の違反は事業者により大規模なケースになることが多いのと対照的に、一般廃棄物は個人による小口の犯行が多いという。
県警は行政機関との連携を強化している。一般廃棄物の所管は市町村で、奈良市や天理市は毎週2回ほど市全域のパトロールを実施。不法投棄などを見つけ、投棄物の中に所有者の身元が分かるものが見つかった場合、警察署に連絡・相談することを徹底しているという。県警生活環境課幹部も「摘発増加に役立っている」と評価する。
廃棄物処理法は、不法投棄や不法焼却をした違反者に「懲役5年以下もしくは罰金1000万円以下」の罰則規定を設けている。今年7月には、見知らぬ家の前にプリンターや衣類が入った段ボール、ポリタンクなどを捨てた桜井市内の男(62)が桜井署に逮捕された。男は「家にあると邪魔なので捨てようと思った」などと供述。最終的に略式起訴され、30万円の罰金を納めた。不法焼却の場合は起訴されることもあり、たとえ略式起訴されたとしても高額の罰金が待っている。
出典:毎日新聞