ごみから水素、新日鉄が設備 自治体向け、処理費2割減
2008/07/29
ニュース
新日本製鉄は家庭やオフィスから出るごみを原料にして、燃料電池自動車などに使う水素を取り出す技術を開発した。製鉄所のノウハウを応用してごみを高熱で分解、有用な水素を取り出す。ごみ処理費用を約2割減らせるのが特徴で、自治体などに設備を売り込む。
処理できるのは紙類や生ごみといった都市ごみのほか、廃プラスチックや木材、汚泥、タイヤなど。同社の八幡製鉄所(北九州市)に1日20トンのごみを処理できる試験炉を設置。ごみは北九州市から提供を受け、経済産業省の支援で、京都大学、北九州市立大学と共同研究した。
3種類の炉でごみを処理する。まずごみを蒸し焼きにして炭化。次にセ氏1300度の高温で不完全燃焼させ、水素を取り出す。炭化したときに出るタールからも高温で水素を得る仕組み。
水素は自動車に積む車載型や、工場や製鉄所に置く自家発電向けの燃料電池に利用できる。メタノールなどを取り出して化学原料としても使える。水素を燃やして発電した場合、発電効率は28%前後で、従来の廃棄物発電より10ポイント近く効率が良いという。設備の価格は既存のごみ焼却炉とほぼ同等で、運用コストは2割減らせる
出典:日経速報ニュース