PCB処理施設:微量PCB含む潤滑油が漏れる 施設の運転停止--室蘭 /北海道
2008/04/07
ニュース
◇環境へ影響なし
ポリ塩化ビフェニール(PCB)を処理する室蘭市仲町の「北海道PCB廃棄物処理施設」(試運転中)で1日、施設内に潤滑油が漏れる事故があり、関連する設備の運転を停止していたことが3日分かった。運営する日本環境安全事業北海道事業所によると、油には微量のPCBが含まれていたが環境への影響はないという。
事故は巡回中の作業員が1日午後10時半ごろ、2階床に油がたまっているのを発見した。3階の真空加熱装置の真空ポンプから漏れたことが判明、ポンプのステンレス製チューブに微小の亀裂が見つかった。漏れた油は1~2リットル。PCBの量は基準値(1キログラム当たり0・5ミリグラム)を下回る0・15ミリグラムだった。
北海道事業所から室蘭市などに事故の報告があったのは2日になってからだった。市は「取り決めでは事後報告で良いレベルだった」としているが、速やかな原因究明と再発防止策を講じるよう申し入れた。
PCBは変圧器の絶縁体などに広く使われていたが、毒性が強く発がん性もあり、国内では74年に製造が禁止された。施設は今月中の本格稼働を目指し、最終の習熟運転を行っていた。