青森県議会が否決 高レベル最終処分地拒否条例案
2008/03/12
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高レベル放射性廃棄物最終処分地を拒否する条例案が11日、青森県議会2月定例会本会議で否決された。最大会派の自民党が反対に回り、提案した共産党、県民クラブ、社民党の野党三会派以外に賛成はなかった。
条例案は「青森県を最終処分地にしないことを宣言する」という内容。国と県の間に「知事の了承なしに最終処分地としない」との確約があるものの、野党側は「国との確約は担保にならない。県議会の関与が必要だ」(諏訪益一県議)として議員提案した。
採決は賛成5、反対40の圧倒的な差。自民党の西谷洌議員総会長は「法律を踏まえた上での国との確約は重い」と反対理由を述べた。一方、県民クラブの鹿内博県議は「条例の内容が否決されたとは思わない。知事が了承すれば可能という解釈が残り、最終処分地になる可能性は高まっている」と述べた。
条例化を否定してきた三村申吾知事は「県議会のことにはコメントできない」と言及を避けたものの、「条例否決で県が最終処分場立地に前向きと受け取られるのでは」との記者の質問には、「そうは思わない」と答えた。
2000年に成立した「特定放射性廃棄物の最終処分に関する法律」では、全都道府県知事に立地拒否権が与えられている。原子力資料情報室(東京)によると、同様の拒否条例は高知県東洋町や北海道など全国の十自治体で制定されているという。