【福岡市】家庭プラスチックごみ分別強化を推奨し、脱炭素社会の実現を目指す
2021/12/27
ニュース
福岡市は、可燃ごみとして処分している家庭のプラスチックごみについて、分別回収を導入する方針を固めた。
2022年度にモデル事業を実施し、数年かけて市全域に広げる考えである。同年4月にはプラスチック資源循環促進法の施行により、玩具などプラ製品の分別も自治体の努力義務となるが、実施検討は全国でも限られているという。
コロナ禍での巣ごもり需要で家庭ごみが増加傾向にある中、食品トレーなどのプラ容器包装と合わせて分別へと一気にかじを切ることで、脱炭素社会の実現を目指す。
市によると、市内のプラごみは年約6万トンあり、可燃ごみの2割を占める。
プラ容器包装は2000年度に分別が自治体の努力義務となり、既に20政令市のうち16市が導入しているが、福岡市は転入者が多いために分別の徹底が難しく、洗浄に大量の水を使うことなどから、容器包装も含めてプラごみ分別を見送ってきた。
一方で、コロナ禍の宅配食増などにより2020年度の市内のプラごみは前年度から約4千トンも増加。
可燃ごみ全体の焼却灰は年7万トンに迫り、約30年後には埋め立て場が満杯になる見通しである。プラごみが分別されれば、焼却されず、リサイクル業者が引き受けるという。
市は新年度予算にモデル事業費を盛り込む方針で、地域特性に応じて複数の地区を選定。プラ用の有料ごみ袋を設け、可燃用より安価にする案などを検討されている。
市全域での回収には数十億円規模の追加費用が見込まれ、国へ財政支援も求めていく方針である。