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イボキンが「都市鉱山」見直し 再資源選別強化で能力5割増へ

2020/11/19

ニュース

解体業や金属リサイクルを手がける株式会社イボキン(兵庫県たつの市、代表取締役社長 高橋 克実)は使用済み家電などから鉄や非鉄金属、プラスチックを選別し、再利用する「都市鉱山」の見直しを強化すると発表。兵庫県たつの市の本社工場で設備を増強し、再生資源の選別能力を従来より5割増を目指す。リサイクルは鉱石などからの生産に比べて二酸化炭素(CO2)の排出抑制につながる。環境意識の高まりを背景に事業を拡大を狙う。

同社は電子レンジや掃除機といった小型家電、ATMやコピー機といった事務機器などを破砕するシュレッダーを2019年6月に新しく整備した。今秋までに、破砕した後に鉄をより分ける磁力選別機、その後のアルミ選別機、そこから銅くずやステンレスとプラスチックをより分ける非鉄選別機などを入れ替えも完了し、一連の設備を今月より稼働させている。

今回の設備増強への投資額は約5億円。リサイクル原料の選別能力は従来の1.5倍の月1500トンに向上させた。重量ベースで鉄が約5割、プラスチックが約3割、ほかにアルミニウムやステンレス、より単価の高い銅くず、少量ながら金や銀も回収が可能となった。

廃家電などの受け入れ能力を高めてリサイクル素材の販売を増やし、年約2億円の売り上げ増加を目指すという。プラスチックの選別の精度も上がり、埋め立て処分していた廃プラを再生メーカーに原料として出荷できることも影響し増収の結果となった。

「都市鉱山」の採掘にも例えられる同事業は天然資源を海外から輸入して製品に仕上げるのに比べ、環境負荷を低減できる。例えば鉄をつくる場合、主流の高炉方式では鉄鉱石と石炭を大量に使う。一方で、回収した鉄くずを電気炉で溶かす方式では、高炉方式よりも製造時のCO2の排出量を大きく削減することが可能としている。

イボキンは1949年に創業。2018年にジャスダックに上場した。19年12月期の売上高は連結で62億5千万円(この中で廃棄物リサイクル事業は25%を占める)

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