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鳥取再資源化研究所 太陽光パネルをガラスを土壌改良材でリサイクル

2020/07/21

ニュース

リサイクルの鳥取再資源化研究所は太陽光パネルのガラスを土壌改良材に再生する事業に着手すると発表。リサイクルの障壁となる有害重金属のアンチモンをガラスに封じ込める無害化技術を鳥取大学の協力を得て開発。パネルの再利用は国際的な課題となることを見越して国際特許を出願。無害化技術を活用して土壌改良材を製造するシステムを広く普及させていく方針とした。

土壌改良材の製品名は「ポーラスα」。
鳥取再資源化研究所と鳥取県が2008年までに共同開発。無数の穴があり高い保水力を持ち、粒状に砕いて土に混ぜると農業に活用できる。主に国内では畜舎の悪臭抑制材として使用されている。

同研究所は事業化として、京都府八幡市内のリサイクル施設にポーラスαを製造するプラントを納入。同施設を運営する近畿電電輸送はガラスから重金属の漏出を防ぐ同研究所の技術を活用し、9月から、太陽光パネルのリサイクル事業を始める予定。

近畿電電輸送のパネルリサイクル事業の開設費用は約6億円。担当者は「全国からパネル処理の引き合いはあるが、輸送コストの課題もあるため、当面は関西圏のパネルを引き受ける」と意気込んでいる。

12年に始まった固定価格買取制度(FIT)を背景に太陽光発電施設が国内で急拡大。太陽光パネルの耐用年数は20~25年。耐用年数が続々と切れる30年代後半から、パネルの処理が社会課題とと予測されている。

太陽光パネルのガラスはパネル全体の重量の6割程度。適正に処理されないまま放置された場合には、パネルに含まれるアンチモンや鉛といった有害重金属が流出する懸念もある。特にアンチモンがリサイクルの妨げとなり、現状で多くが埋め立て処分されている。

同研究所顧問を務める鳥取大学名誉教授の中野恵文氏が16年からアンチモンを軸とした重金属の漏出対策の本格的な研究に着手。ポーラスαの製造過程で添加する物質として100種類以上を試し、約10種類にアンチモンをガラスから漏出させない効果を確認。

今後、パネルのリサイクルは国際的な課題となる見通しで、今年1月から順次、米国やEUのほか中国、インドで国際特許を出願している。

同研究所は19年10月、パネルの無害化技術の提供などで丸紅と業務提携を締結。丸紅は無害化技術を活用するポーラスαの製造拠点について、国内5カ所程度の開設することを目標としている。鉱山開発現場でも活用する方針で、丸紅の担当幹部は「ポーラスαの用途拡大も進めたい」としている。

同研究所は近畿電電輸送や丸紅など連携先の拡大を通じ、プラントの販売や技術支援の手数料収入が増えるとしている。01年に設立した同研究所の19年9月期の売上高は約2億円。プラント販売を積極推進すれば売り上げは大幅に伸びる可能性を持つが、竹内義章社長は「売り上げ規模を追求しない。無害化技術を活用した太陽光パネルの安全なリサイクルの普及を通して世界に貢献したい」と意欲を見せている。

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