福岡工業大学 焼酎かすで充電池開発
2016/06/16
ニュース
福岡工業大学工学部(福岡市東区)が焼酎かすを使った充電池を開発した。これまで、充電池の電極の素材にはヤシ殻が使用され、そのほとんどを輸入に頼っていた。そこで、同大の田島助教授が焼酎かすに着目。焼酎かすは、焼酎を製造する過程に排出されるもので、メーカーが処分に苦慮していたという。
開発された充電池は、電極に焼酎かすを使用した活性炭で大量の電気を蓄え、放出する。活性炭を利用した充電池は、短時間での充放電が可能で、化学反応を伴わないため、劣化が少ないというメリットがある。また、焼酎かすは、分解しやすい性質があり、従来のヤシ殻の充電池より蓄える電気量が20%もアップしたという。
この開発には、紅乙女酒造(久留米市)が協力し、毎月20キロの焼酎かすが提供された。同社では、年間800万円をかけ、1,000tの産業廃棄物を排出していたが、捨てていた焼酎かすが有効活用できることに驚いているという。