「バイオマス都市」に佐賀市 農水省選定
2014/11/13
ニュース
■生物資源活用で地域循環型社会 CO2分離事業など評価
農水省は10日、生物資源を活用して産業創出やエネルギーの地域循環を図る「バイオマス産業都市」に、佐賀市を選定したと発表した。市清掃工場での二酸化炭素(CO2)分離回収事業や、下水浄化センターでの発電などの構想が評価された。国が事業推進へ施設整備費を補助したり、助言したり支援する。
バイオマス産業都市は関係7府省が共同で2013年度から推進、5年間で100地域を選定する。14年度は構想を提案した11地域から6地域を選び、計22地域に上った。九州は初めてで、他に福岡県みやま市、大分県佐伯市が選ばれた。
産業都市になると、構想内容に応じて助成や、関係府省の制度や規制面での相談・助言を優先的に受けられる。例えば、施設整備のための農地転用がしやすくなる利点があるという。
佐賀市の構想は、廃棄物から資源を作り出す視点で、ごみや排水などを活用した地域循環型社会の実現を目指している。市清掃工場の排ガスから分離回収したCO2を藻類培養や農作物栽培に生かすシステムの構築や、下水浄化センターの汚泥処理で発生するメタンガスによる発電事業などに取り組み、企業とも連携を進めている。
産業都市選定委員会は9月、「一般廃棄物や下水汚泥を高度利用する計画は先導性があり、同様の取り組みを検討する地域のモデルになり得る」と評価した。
秀島敏行市長は「選定を新たなスタートとして、産業とエネルギー創出を図る『バイオマス産業都市さが』の一日も早い実現を目指したい」とコメントした。
出典:佐賀新聞