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紙おむつを炭素素材へリサイクル 花王と京大が共同開発

2021/02/16

ニュース

花王株式会社と京都大学は、「使用済み紙おむつの炭素化リサイクルシステム」の確立に向け、花王サニタリープロダクツ愛媛株式会社のある愛媛県西条市の協力のもと、実証実験を開始すると発表。
低温加熱しながら水分を飛ばし、粉状の炭素素材にする。焼却しないため地球温暖化の原因となる二酸化炭素を排出することなく、素材は活性炭や電極材料などにも利用が可能となるとしている。

このリサイクル装置は完成間近で、4月にも愛媛県西条市の保育園に設置し、性能や使い勝手を確かめる実証実験を開始する。
本格的な実用化には4年後を目安として今後は検証など重ねていく方針。

紙おむつはパルプやプラスチックなど複数の素材からできており、リサイクルが困難とされている。また、排せつ物を含んでかさばり、保管や回収にも不向きなものとされ、現在では年間200万トン以上がごみとして焼却されている。しかしながら、将来、高齢化の加速に伴い大人用おむつの需要が増えると想定され、この使用済みおむつのごみ問題はさらに深刻化すると懸念されている。

これらを踏まえて、この新しい装置は、素材や排せつ物を分別しなくても、殺菌、消臭しながら体積を減らせるというシステムとなっているという。大量のおむつごみが出る保育園の園庭に1~2年間設置し、保育士に操作してもらう予定。ごみ収集の回数も減少すると予測される。

京都大学は、今回の実証実験を通して、使用済み紙おむつを炭素素材へ変換し、CO2排出量削減による環境負荷低減を目指します。今後、紙おむつを炭素化した素材の産業利用を進めるとともに、空気・水環境の浄化、植物の育成促進への活用など地球環境改善につながる研究技術開発をさらに推進していくとしている。

花王の担当者は、今後も処理後の炭素素材を有用な材料に変える研究にも積極的に取り組む方針で、「地球温暖化とごみ問題を一緒に解決できれば、大きな社会イノベーションにつながる」としてこの事業の実用化に大きな期待を寄せているという。

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